教育と政治と空飛ぶスパゲッティ・モンスター教

Wikipediaの空飛ぶスパゲッティ・モンスター教の記事を見た。

 

始めはそこまで真剣に見ていなかったが、記事を読んでいくとアメリカの公教育に関わる問題が浮かび上がる。

空飛ぶスパゲッティーモンスター教はインテリジェント・デザイン説を推し進めるカンザス州の教育委員会へのアンチテーゼとして公開質問で世に放たれた。

詳細は記事を見ていただきたいが、私はこの空飛ぶスパゲッティーモンスター教を支持したい。

香川県のゲーム条例みたいな、(私にとって)わけのわからない条例案が出たときは、空飛ぶスパゲッティーモンスター教のように、ユニークなアンチテーゼを唱えてみたい。

 

 

以上はFacebookに投稿した私の記事である。

ここで、再びWikipediaの記事の「成立までの経緯」を注目したい。

面倒な方は要約①~④まで飛ばしてください。

 

>2005年にカンザス州教育委員会では、公教育において進化論と同様にインテリジェント・デザイン(ID説)の立場も教えなければいけないという決議が評決されることになっていた。前年の教育委員の改選で委員6人中4人を保守派が占めており、可決は確実と見られていた。これに抗議するために、2005年6月、アメリカ合衆国のオレゴン州立大学物理学科卒業生のボビー・ヘンダーソンは公開質問状を提出した。ヘンダーソンは自分のサイト "venganza.org[9]" (スペイン語で復讐の意)において創造主である空飛ぶスパゲッティ・モンスターの概略を示して、明らかな証拠や、それに基づいて進化を説明できる十分な論理性・整合性があると論じ、創造論の一部として「空飛ぶスパゲッティ・モンスター」を進化論やID説と同様に公立高校で教えることを公開質問状において提案した。

 

中略

 

>カンザス州教育委員会にもID説を教える事に反対する人々がおり、ヘンダーソンはそのうち三人から空飛ぶスパゲッティ・モンスターに対する好意的な返事を受け取った。また、別の一人からは「神のまがい物を作るとは深刻な侮辱である」との返事があった。

 

>その後の2005年11月、カンザス州教育委員会は多数決の結果、進化論は「単なる理論」であり、ID説を同時に教える事などを定めた科学教育基準を採決し、ID説派が勝利を収めるかたちとなった。しかし2006年の改選では、それを決定した委員は全員落選し、新たな委員会は元の基準を再び採用することを決めた。2007年2月には決議で改めて2005年の基準改定が拒否された。

 

私は以下の4点に注目した。

①アメリカ合衆国のカンザス州にも教育委員会がある

②2005年、教育委員会が採決で教育基準を決めた(多数決による基準の決定)

③2006年の選挙で委員は全員落選(カンザス州では選挙により教育委員が選出される)

④2007年の決議で②の基準改定が拒否された

 

アメリカにも教育委員会制度が採用されているようだが、その内容は州ごとに異なる。

教育委員の選任方法については、文部科学省のページによると、

 

>教育委員の選任方法は、州教育委員会の場合、約三分の二の州では州知事による任命、残りの三分の一では公選。学区教育委員会の場合、95%は公選で、残りの5%が任命。

 

アメリカの一部州では、教育委員は選挙で選ばれる。

それにより、教育委員会の暴走を市民が止められるのだ。

これは日本でも導入されることを期待したい。